警察は闇金対応に消極的
闇金業者に取り立てで追い詰められて困っている人は後を絶ちませんが、その相談先がきちんと確立されているかと言えば残念ながら不足がある状況だと言わざるを得ません。
一般人が闇金相談を行える窓口は非常に限られています。身近なところで言えば法テラスなどのNPO法人がありますが、それ以上にまず多くの人が思い浮かべるのは警察であるはずです。しかしながら警察署に闇金被害の相談をしてみたものの、きちんと対応してくれなかった、何の解決もしなかった、などといった声が上がる事も少なくありません。
闇金逮捕の難しさ
闇金業者を社会から追放するために様々な法改正や取り締まり強化がなされ、警察側としても闇金を逮捕するために多くの努力を重ねているのは事実です。しかし実際に闇金からの被害を受けている人が警察署へ相談に赴いても、真面目に取り合ってもらえないどころか追い返されてしまうという実情を語る人も中にはいます。
警察がなぜ闇金トラブルに対して積極的に動かないのかと言えば、近年の闇金業者が自分たちの実態や痕跡を上手く隠しながら活動している事が大きな原因と言えます。最近の闇金の主流は090金融です。電話一本で融資から取り立てまでを行うため闇金業者の行動や活動実態が不明瞭であり、さらには事務所を設けない事がほとんどであるため所在を把握する事も困難です。
警察が本気を出して捜査に乗り出せば足取りを終えない事もありませんが、090金融の厄介なところは場所を選ばない所にもあります。被害を訴えてきた人の所在地とは全くもって別の所の遠く離れた土地で活動している場合、管轄区域などの背景もあり操作が容易には行えません。
こういった闇金の見えにくい活動、それによる全国視野で行わなければならない捜査という事情があり、警察署に相談に訪れた人の対応をあまり簡単には受けたがらないのです。
人手不足などの諸事情
ひとつの警察署に舞い込む日々の事件は膨大な数に上ります。警察署には実際に暇がなく、それでいて人手が不足しているという問題点も存在しています。
もしも闇金対応に捜査員数名が当たった場合、捜査の難しさから多くの日数や時間を費やしてしまう事になります。ただでさえ人手不足が目立つ中で地道で先の見えない操作を行うことは現実的ではなく、そういった警察側の諸事情もあり闇金対応に消極的になっているところもあります。
警察に警告電話をかけてもらうには
度重なる説明と被害の主張
警察に闇金の被害を相談しに行く場合には、近くの交番ではなく警察署の生活安全課という部署を訪れなければなりません。
さらに重要となるのは窓口に相談を始めた後です。署員によっては闇金対応に関する知識が浅く、相談をされてもどのような対応を取れば良いのか把握できていない人もいます。簡単なアドバイスだけを受けて家に帰されてしまうという事態にならないようにするために、まずは闇金業者から悪質な取り立て電話がかかってくる事の明示をし、その上で取り立てをやめさせてほしいという旨をしっかりと表明しなければなりません。
警告電話後のアフターフォローはない
闇金業者への取り立て停止に関して、運が良ければ警察側から警告電話を発信してもらう事ができます。この警告電話は文字通り闇金に対する警告であり、闇金業者も警察からの電話となれば一先ず了承して引き下がる事が多いです。
ところが警察署への相談によって警告電話をかけてもらった場合、そこで安心するのはまだ早いです。警察から離れて一人になったところを見計らい、再び取り立て電話をかけてくる業者が山のように存在します。
もしもまたかかってきたら警察が助けてくれるだろうと思うかもしれませんが、警察ではアフターフォローのような制度がありません。取り立てが再発した場合にはまた一から被害の訴えを行わなければならず、時間ばかりがかかってしまいます。さらに闇金業者側の立場を考えると警察に駆け込んだ顧客と言う目で見られるため、嫌がらせが激化したり家族や会社にまで手を出されたりするリスクが大幅に増してしまいます。
警察に行くならできる限りの証拠提示を
闇金の証拠となる電話番号や口座情報
警察には様々なデメリットが見られますが、それでも費用の面などから生活安全課に闇金業者の相談を行いたいと考える人はいます。
闇金相談を警察の窓口にする場合、必ず用意した方が良いのは業者の名前や電話番号、さらには取引口座やその入出金を記録したものです。証拠が何もない状況で警察を訪れても相手にされない可能性があります。そのため少しでも手元に表示できる目に見えた証拠を差し出す事により、警察もある程度は話を受け合ってくれる可能性が高くなります。
ただし個人で把握できる電話番号や口座情報はトバシのものである場合がほとんどであるため、証拠を提示した事によって逮捕に繋がる確率は限りなく低いことも予め知っておく必要があります。
着信履歴や録音
闇金からの取り立て被害を訴えるにしても、言葉で説明しただけでは借りる方が悪いという一言で済まされてしまう恐れもあります。
そこで度重なる着信履歴をまとめたスクリーンショットや、可能であれば闇金業者からの脅迫的な音声を録音した媒体など、実際に被害を受けている事を証明するための物を用意していく事も有効な手段となります。
警察への相談は最善ではない
後手に回るリスクが大きい
警察の問題点は様々あり、闇金トラブルを解決するために利用する最善の窓口であるとは言い難い部分が多々存在します。警察官によっては親身に話を聞いていち早く対応をしようとしてくれる人もいますが、基本的には対応そのものが後手に回り二次被害のリスクを増やしてしまうケースも多いです。
推奨できるのは弁護士への相談
闇金相談をしたいと考えた時に最も推奨できるのは弁護士です。闇金対応について知識とノウハウのある弁護士であれば、無料相談を受けた後にすぐさま対応にあたってくれる場合が多いです。
万が一の時のアフターフォローや迅速な解決による二次被害のリスク軽減など、弁護士に相談したことによって受けられるメリットは大きいと言えるでしょう。